ダ・ヴィンチ【最後の晩餐(修復後)】20号特寸
ミラノ中心街から少し離れた場所にあり、丸く、柔らかな雰囲気を感じさせるサンタマリア・デレ・グラツィエ教会。ここに、レオナルド・ダ・ヴィンチ作『最後の晩餐』はあります。
作品は、イエス・キリストが、12人の弟子達と夕食を共にし、裏切り者のいることを語りかける場面です。安定した構図、劇的な描写。「最後の晩餐」は、ルネサンス芸術の傑作として、500年にわたり人々の賞賛を浴びてきました。
この『最後の晩餐』は、レオナルドの新しい技法。それは顔料を卵の白身で溶かすテンペラ画法と油絵の画法を合成したもので描かれています。
教会が火事に遭ったときも、『最後の晩餐』は奇跡的に被害からまぬがれました。『最後の晩餐』、聖書の一場面としても非常に有名です。 この頃、多くの画家が"最後の晩餐"を描きました。どの画家も、裏切り者ユダをテーブルの反対側に座らせ、はっきりと描いています。それは神の教えを伝える教科書として、善と悪を対比して描き、神の世界と悪魔の世界を明確にするという当時の、『最後の晩餐』のテーマでもありました。
しかし、レオナルドのユダはそれまでの最後の晩餐と決定的に違うユダの扱い。その座る位置。表情。その光の当て方。
レオナルド・ダ・ヴィンチが操った光と影『最後の晩餐』に託したメッセージ。レオナルドは、善人にも悪がひそんでいることを伝えたかったのではないでしょうか。
(イタリア 1452~1519)
ミラノ サンタマリア デレグラーチェ殿堂の壁画
号数:20号特寸
額装サイズ:62×87cm